(お相手:おしたりゆうし ※微エロ注意 なんかもう雰囲気で察して)





あっという間だった。
ふと両膝に手を付かれたと思ったら簡単に開かれて、その間に顔を埋められてしまったのは。


「えっ、やっ……んんっ!」


驚きの声をあげる私なんかお構いなし。黙ったままの彼に中心へ唇を寄せられて、思わず小さくだけど反応をしてしまう。
それは目下の彼にもちゃんと聞こえていたみたいで、寄せられた唇が下着越しでも僅かに動いたのが分かった。
見えていないけれど、きっと綺麗に弧を描いた、いつもみたいな私をドキリとさせる笑い方なんだろう。

やっと少し離されて、強張った身体が解放されてようやく息を吸うのを許されたと思ったのに。
もう一度繰り返されてしまい身体は今度こそ固まった。
鯉が餌を求めるようにぱくぱくとしか動かない私の口は、呼吸の仕方をもうすっかりと忘れてしまったらしい。

今度はただそこに唇を付けられるだけじゃ済まされなかった。
長い、長い。ディープ・キスみたいな感じ?
時折動かされる唇の隙間から彼の唾液が零れてきているのか、徐々に。
だけど、呆けて茹だっていた頭がふと気付いてしまえば、それはほんの一瞬のうちに。
そこは肌と下着が密着し一体感をかもすほど高い湿度になってしまった。

外側からの直接的な刺激の為か、内側から溢れだす抗えない何かのお蔭か。
原因の大部分を占めるのは外側のせいだと信じたい。
だって、何もされなかったらこんな結果は起きなかった。だから私のせいじゃない、私は何も悪くないもん。
そんな誰かへの宛先も意味もない言い訳論争を脳内で巡らせている間にも、彼は攻めの手を休めない。

―――かぷり


「っは、」


身体中にびりびりと走った電気ショックに麻痺された頭には、
肺へ届いた久しぶりの空気を美味しいと感じる余裕なんて無い。
どうやら一番敏感な部分に噛みつかれたらしい。
歯が立てられたとはいっても甘噛みにも満たないレベル、
引っかかれた程度なのにそれはそれは強烈で、私を狂わせるには十分すぎるもの。

もう止めて、大きくそう叫びたいのに。お腹に力が全然入らないの―――














作成2012.01.11きりん