(※師範×尻軽ちゃん)





「師範は、その……ちょっと好き、くらいの気持ちで………エッチしてまう女の子、……どう思う?」


もう口から心臓が出るんやないかっちゅーくらい、緊張しまくって。
エッチしてるときのエクスタシーなんて目やないくらい、足がガクガクして。
目の前におる大好きな人に、思い切って今まで己がやらかした、しょうもないコトを暴露った。

こないなこと何で言おう思たんかはウチもわからん。
己の所業はほぼ校区外でのこと、黙ってれば知れる確率はゼロに等しいはず。
せやけど何となく隠しておけんて感じた、なら。
後でバレて幻滅されるくらいなら、先に言うてまえ!と。妙な勢いが働いてしもた。


「フム。……感心はせんなあ、女の子は特に自分の身体を大事にせぇなあかん」
「そう……やんなぁ」


講堂前の噴水で水ごりしとった師範はそう答えると、ウチが濡れんように(あ、水でやで?)ゆっくり立ち上がった。
そのまま縁に腰掛けると、ウチが手渡したタオルで顔と頭、それから上半身を丁寧に拭いていく。
(水滴も相まってきらきら輝いている、筋肉に覆われた逞しい身体に目を奪われて一瞬呆けたことは内緒。)
話をしている途中でも“おおきに”を忘れん礼儀正しさ、きゅんてする。
あかん、やっぱ好きやぁ。
感心せん言われても、いやらしいとか、だらしない子やなぁて思われたとしても、諦められへん。
取り返しのつかんアホな過去を悔いて、俯いてスカートのすそをぎゅうて握ってたら、師範が言葉を続けた。


「しかし。これまではそうやったかもしれんが、今から改善していけばええ。十分間に合うで」
「ほっ、ほんまっ?」
「もちろんや。ちゃんと自分で考えて直そういう子は、ワシは好きやで」


何やら凄い発言を貰ってフリーズしとったウチの頭に、いつの間にか目の前に立っとった師範のでっかくて分厚い手が乗る。
でっかすぎて乗るっちゅうより、包まれたいう方がしっくりくる気もするけど、ともかく乗った。


「なんや、そんなんで悩んでたんか。フッ、しゃあない子や」


それから、軽くポンポンしてくれた。
それがあんまりにも優しかったから涙と一緒に今まで溜め込んだ悪いモンも全部自分の中から流れ出たような気がした。










このお話では弱めですが、天然師範はストレートな言葉で無意識に口説いてくると思うよ!気を付けろーっ!w



作成2011.05.17きりん