(社会人設定・相手の指定無し)





雑誌の恋愛特集をふたりでパラパラ眺めているとき、
そういえば言ったね、そんなこと。

― ふーん。仕事とわたし、どっちが大事―――ね
― まぁ、男女間ではよくあるテーマだよね
― お前もやっぱ、こういうこと気になったりするんだ?
― え、私?私は……

 貴方にとって仕事が第一なのはちゃんと理解してるから。
 ただ、選ばなきゃいけないとき
 一瞬だけ私のことが貴方の頭に過ぎってくれればそれだけで良い。

そう言ったらちょっとだけ私をじっと見て。
……ふーん。って、興味無さそうに雑誌に戻ってたけど。

『メシ食って薬飲んで、暖かくして大人しく寝て治せ』

風邪引いて仕事休んで寝込んでで、
起きたらいつの間にかテーブルの上に見慣れた文字書きメモと薬の小瓶。
それから、小鍋の中にまだホッと温かいおかゆ。

身体だけじゃ無く、弱ってたのは心もだったみたいで。
夢うつつでつい送っちゃったメールへの返信は
起きた今も相変わらず無いけれど

なんだ、ちゃんと気にしてくれてたんじゃん。……ありがと。










こういうさり気ないのが好いね〜



作成2010.10.31きりん