(色濃い人物達に囲まれた中学生活、前回から3年後のお話。
氷帝を純粋に好きな人には一部怒られそうな表現がありますごめんなさい)





周囲から見れば十分派手学校な我が氷帝の中でも、一際派手な男子テニス部と私は何かと付き合いが深かったりする。

スーパー俺様でやることなすこと全てが派手で規模がハンパ無くデカくて案外困ったちゃんなアゴちゃんはじめ、
天才なんて派手な称号を持ってるゆうゆ(第二候補はおしり君だったけど、人前で呼ぶにはアレだったので泣く泣く却下)、
派手にぴょんぴょん飛び回るみそガクチョに、髪の毛を派手にバッサリいったリョーちん(シシトウは私が苦手だからやめた)、
隠さず派手に眠りこけるいつでもシマシマぱんつジローラモ(懐かしいとか言わないの)。

後輩も粒揃い。派手にデカくてたまの雄叫びがまた派手なムネオ(ハウスじゃないよ)、派手なサーブをぶっ放すチョーさん(おいっす!)、
構えがなんとなく派手っぽいぴよわか(にし君って呼んだら変な顔されたから仕方無くこっち)。
このように特にレギュラー陣は派手派手軍団の極みであり、
またそれを纏める監督タロサ(43)は全てにおいて、また色んな意味で……派手だ(ぶっちゃけ説明しづらいこの人)

そんな派手なものに囲まれているのも楽しいんだけど。
ここしばらくはご無沙汰だった、寡黙で落ち着いた幼馴染に猛烈に会いたい。なぜだろう、それはもう切実に。
(日本にいればいつでも会えると思っていたけれど、お互い忙しすぎて中々機会がなかったのよ)
麻痺したままで無く、そろそろマトモな感覚に慣れておかないと将来困るような気がするのだ。
可笑しいね私、マトモなのにこんなこと考えて。

ある日大会の応援に来いとアゴちゃんに誘われたので、まぁ無碍にするのも忍びないと思い行くことにした。
断じて、帰りにチョコバナナパフェを奢ってやろうというアゴちゃんの甘言に乗ったからでは無い。
純粋に彼らの応援をするために行くのだ。そこは勘違いしないで頂こう、これは純粋なる私の好意なのだ。
チョコバナナパフェ(ジャンボ)の為ならコールの一つや二つ等こなしてやろう、などとは思っていない。決して。

到着した大会が行われる会場はとても広く、またコートがいくつもあるので氷帝が試合を行うコートがどれだか解らない。
会場へ行くついでに家まで車で迎えに来てやるという、昨日のアゴちゃんのお言葉は断らないほうが良かっただろうか。
いや、アゴちゃんは出場選手だから集合時間がハンパ無く早い、そんな時間にはとても起きれないから辞退したんだった。
それに思いっきりアゴちゃん家と私の家と会場はバラバラすぎる位置関係だったから、遠回りさせることが申し訳無くて。
仕方が無い。探せ探せ、まずは試合の組み合わせ表か案内板だ。

きょろきょろしながら歩いていくと、目の前、少し遠くに青い集団が見える。どうやら、こちらにやってくるよう。
それはウチの、氷帝よりも濃い青。よく晴れた日の青空みたいな、清々しい青。
その集団の一番前中央、凛とした雰囲気を纏い一歩一歩着実に、確固たる歩みを進める人に私は見覚えがあった。
そう、彼は私が猛烈に会いたいと願っていた幼馴染、それが今私の目の前に颯爽と現れたのだ。
しかも、私が声を掛ける前に、こちらに気づいて先に声を掛けてくれたのだ。


「ひさしぶりだな、
「うん……会いたかったわ、会いたくて仕方なかった」
「あぁ。俺も会いたかった」


気づいてくれた上に、彼のその言葉が本当に嬉しくて。
感極まった私は思わず彼に飛びついてしまった。


「嬉しいっ、……くーちゃん!」


くーちゃんのチームメイトがたくさんいて五月蝿いくらいにざわついていたのに。
私がそうすると、何故か水を打ったように一気に静まり返った。

あれ?もしかして抱きついたからかしら?ハグで驚かせてしまったのかしら。
あ、そうよね。日本じゃ普通しないものね、こういうスキンシップ。
海外にいたころのクセがどうしても抜けなくて。

くーちゃんはというと、私の背中に手を回して優しくポンポンしてくれて。
それがまた嬉しくて、長期間会っていなかった反動から私はますます抱きしめる腕に力を込めた。

そうして私たちが感動の再会を果たしていると、
凍りついたままの、青の集団の後ろの方にいた帽子の子がボソリと呟いた。


「……手塚部長の彼女、センス微妙っすね」


それから、いつの間にか抱き合う私たちの背後にいた派手派手軍団(特にアゴちゃん)がギャンギャン騒いでいたけれど。
くーちゃんと再会出来た私にとっては、それら全てがもうどうでも良かった。










とりあえず女子は名付けセンスが某中尉並み
無理矢理入れようと思ったけど場違いなので諦めた一文→(あ、君のその手のファンタより、Qooの方が美味しいよ?おススメ)




作成2010.04.02きりん