(幸村くんとお花の水やり 短い)





「幸村くんて、彼女いそうだよね」


美化委員の仕事のひとつ、花壇の水やり中のこと。

一緒の美化委員で同じ曜日が水やり当番のさんとは、仕事中によく世間話をする。
あぁでも、仕事そっちのけでお喋りに興じてるって訳じゃないよ?差し支えが無いよう、程々にね。

それでその世間話だけど、さんて会話がとっても上手なんだ。
面白いことを言ったり話術に優れているのとはまた違っていて、会話の内容自体は何でもないんだけど。
解りやすいよう丁寧に話をしてくれるし、聞き役に回ったときはいい反応をしてくれるし、時々突っ込みもくれるし。
時折いいタイミングで提供してくれる話題もまたスパイスとなって話が広がっていく。

要所要所での立ち回りや話の運び方が上手いとでも言うのかな。
勢いよくどちらか一方だけが話すんじゃ無くて、良い力加減で会話のラリーがきちんと成り立つ。
だから話をしているととても楽しくて、気を遣うこと無く気持ちよく話が出来るんだ。

そんな相性の良い君と、仲が良いと感じているのは一方的じゃないと思いたい。

その彼女の、他愛の無い会話の中から飛び出した一節。
何気ない君の言葉に俺の心臓は思い切り跳ねてしまったのだけど、気付いちゃったかな。


「ふふ、どうかな」
「幸村くん優しいし、すっごく大事にされてそうじゃない?それに幸村くんと話してると楽しいしさぁ。いいなぁ、彼女。うらやましい」
「じゃあ、確かめてみるかい?」


珍しく俺の言葉に反応出来ず、きょとんとした顔で黙ってしまった君が俺の言葉の意味に気が付いて。
目の前の花壇に咲くどの花よりも鮮やかに、頬を真っ赤に染めるまで、あとすこし。










ゆっきーのドキッとさせる発言は若干天然で、素直に思ったことを言っただけって感じ。
ストレートで漢らしいのが個人的なゆっきー像




作成2011.01.15きりん